お盆に想う 葬儀の心得~葬家編~
舅が亡くなって10年目の夏を迎え、私の実母も秋には三回忌です。
50代になると、こうして 親を見送る経験をなさる方が 増えてきますね。
親ならまだしも、伴侶との 予期せぬ別れに直面し 動転し、そこから葬儀が終わるまで 数日のあれこれの慌しさから 、後になって「ああすれば良かった こうすれば良かった…」と、お盆がくる度 悔いる方も 少なくありません。
数多くの葬儀司会と 自分の親を見送った経験から、「弔問編」に続いて「急に葬家になった時 慌てずに 悔いない葬儀をする心得」について 僭越ながら お話したいと思います。
その1. 遺影
大きな葬儀にしろ こじんまりした家族葬にしろ、遺影が素敵なら 遺族は救われます。
親には、写真館の「敬老の日記念キャンペーン」などで、身体に不調をきたす前に、遺影としてではなく 自然な笑顔の写真撮影を数年に一度 プレゼントしてはいかがでしょう。
病気になってからの写真では、どうしても やつれていますし、あまりに若い時の写真では 参列者が苦笑いなさる場合があります。
以前90歳の方の葬儀司会に出向いたら 御遺影が どう見ても3~40代で「???」だったことがあります。故人の遺言なら、それも 致し方ありませんが…
その2. 思い出の品
葬儀の準備をする際に、私は 「2種類の箱」を用意することをお勧めしています。
★棺に入れてあげる物を入れる 箱
「故人が大好きだった物に囲まれて 安らかに旅立てるように」 との思いで選びます。
ただし 棺に入れるということは 灰になってしまうわけですから、後で故人を偲びつつ 見返したくなる 物はやめておかないと、後悔することになりかねません。
★祭壇や式場入り口に飾る物を入れる箱
アルバムや 作品や 賞状や 勲章など、参列者に偲んで頂きたい 「故人の足跡」のような物です。
その3. 会葬礼状
一般的な礼状ではなく 故人の人となりを文章に込めたい場合、考えておいた方がよいと思います。
その4. 生涯ナレーション&ビデオ
会葬礼状と同じく、故人の人となりを 参列者により分かって頂きたい場合、作成するのも良いと思います。
その5. 音楽
故人が好きだった音楽、故人との思い出の音楽など、BGMとして流したり 一曲丸々「献奏曲」として全員で聴くのもよいと思います。
色々お話ししてきましたが、大前提は 「どんな葬儀にしたいか」故人の意向を知っておくこと。
その上で、自分は 故人にどうしてあげたいのか 自分の心としっかり向き合うことだと思います。
私は、実母が亡くなった時、かなり異例ではありますが、喪主である私が自ら司会をしました。今思い返しても何の悔いもありません。
各地で守るべきしきたりや風習は厳然と残ってもいるでしょうが、一方で「葬儀はかくあるべき」という時代でもなくなりました。
50代になったら、親や伴侶をいかに送るか、自分はどう送られたいか、「綺麗に死ぬために いかに生きるか」を考えたいな と お盆を通して改めて感じました。