お盆に想う 葬儀の心得~弔問編~
御仏壇に手を合わせたり 御墓参りに行ったりする際、しみじみと話題になるのが 身近な親族の葬儀の思い出…
フリーアナウンサーとして 何百本もの葬儀司会に携わった経験と マナー講師の経験から、50代女性として今更聞けない 「葬儀に参列する心得」や 、「急に葬家になった時に慌てずに済む心得」について、シリーズでお話しておきたいと思います。
まず今回は「葬儀の心得~弔問編~」
その1. 服装
数多くの司会に携わって NGだと感じる服装は、
★黒といっても まるでドレスのような 派手な雰囲気の物。
「結婚式かパーティと間違えていませんか?」という方が たまにいらっしゃいます。
あくまで シックに、礼服で。
★アクセサリーは 白か黒のパールですが、胸まで垂れるように長かったり 二連にするのも 勿論NGです。
イヤリングも、ゆらゆら揺れる物は避けましょう。
★靴は、リボンやキラキラなど飾りのついている派手な物はNGです。
★長い髪を ふわふわと華麗にたなびかせている方、「せめて 髪留めかゴムで束ねては?」と申しあげたくなります。お辞儀をする時 だらりと前に落ちてきて 髪をかきあげる動作は、見苦しいものです。
★ストッキング、黒ではなく 肌色のものを着用なさっている方がたまにいらっしゃいますが、「周りに比べて 違和感がないのかしら?」と思ってしまいます。
★黒いストッキングは 伝線したら目立つし見苦しいので、必ず「替え」を用意しておきましょう。
★バッグは「殺生を避ける」意味から 葬儀では皮ではなく布製を持つのが常識とされています。ヴィトンなど まさにブランドのロゴマークがバッチリ入った皮のバッグを何のためらいもなくお持ちの方がいらっしゃいますが、感じの良いものではありません。
★お子さんが高校生までは「制服が正装」なので、制服を着せていれば間違いありませんが、大学生になった時に急な葬儀が入って慌てることがありませんか?
たまに黒のビジネススーツに白いシャツで参列なさる御若い方々がいらっしゃいますが、まるで就活スタイル。また、葬儀社スタッフも同じような格好をしているので とても違和感があります。お子さんが高校を卒業したら、男女を問わず まず 安くて良いので 礼服を見立てておいてあげるのが、親の愛かと思われます。
その2. 立ち居振る舞い
★仏式なら 御焼香
★神式なら 玉串奉奠
★キリスト教式や無宗教式なら 献花
御遺族御親族が終わったら、参列者の番です。
祭壇前に進んだら、まず 喪主様御遺族に一礼 次に 参列者側に「お先に」の意味で一礼 それから祭壇の御遺影に向かって一礼し、御焼香か玉串奉奠か献花をします。
その時 あまりにひとりだけ 長々と思いに浸るのは 却って 押し付けがましく違和感があります。出口で立礼している喪主様に挨拶しながら退席する際も、長蛇の列の場合 ひとりだけ延々思い出話をするのは見苦しいので気をつけましょう。御清めの席でお話しするか、改めてお手紙などお出しになってはいかがでしょう。
★献花と玉串奉奠は、初めてだと迷いますよね。
献花は、花が右 茎が左になるように スタッフから渡されます。
そのまま時計回りに90度回し、茎を御遺影側 花を自分側に向けて 献花台に捧げます。
玉串の榊は、献花とは逆に 左に葉先 右に茎で渡されます。
まず時計回りに90度、葉先を御遺影川に向けて一息置き、右手左手を入れ替えて180度時計回りさせて 茎を御遺影側 葉先を自分側に向けて 奉奠します。
また 神式での 二礼二拍手一礼は、お祝い事のように柏手でパンパンと打つのではなく、あくまで音を出さない「しのび手」なのを、忘れないようにしたいですね。
★通夜や葬儀が始まる前に 早く会場に着いた場合、抹香での御焼香の前に まず御線香で弔うことを促されることがあります。
その場合、予め点っている ロウソクの炎に線香を1~2本近づけて火を貰います。その火は 線香を持っていない方の手で払って その 風で消すようにして下さい。あくまで フッと 息を吹きかけたり、線香を振って 火を消すことのないようにしたいものですね。
次回は、葬家になってしまった時、悲しみと 気の動転から 後で「ああすれば良かった こうすれば良かった」と悔いが残りがち…
今から準備できることを お話したいと思います。